「安売り牛丼」ノ巻
とかくこの世は流れに乗らないと生きて行けないのか、やれ「安売り」だ、それ「価格破壊」だと
うるさく言い過ぎていると勝手に思うのだが、果たしてそれまで「正価」で売ってきた商品を購入した人、
またそれが口に入れるモノとなると何を根拠に値札を付けていたのか戸惑いを感じている人、
(が居るかどうかは極めて謎だが・・)とにかく、何時までたっても赤貧思想の抜けない僕にとっては、
それはそれはアリガタイことなのだ。
さて、ホカ弁やコンビニの「味と値段で勝負」という風潮のお陰で、とうとう長年の歴史を歩んできた牛丼屋が
遅まきながら巻き返しを図ろうとして挑んできたのが、「牛丼一杯250円」である。
約1週間ほどの限定サービスなのだが、どこぞのバーガー屋のように、せめて「並盛」だけでも
ず~っとこの企画やれば良いのに・・・。
しかし、この牛丼専門店にしては痛くも痒くもないであろう
値下げサービスに、乗らない話はない。
早速、会社帰りに自宅から自転車で3分のそのチェーン店へ行ってみた。
流石にいつもより店内は込んでいた。が、その玄関前のポスターに意味の判らないことが書いてあったのだ!
「今回のサービス期間中は、並盛のみの販売とさせて頂きます。」
んん?? 何てこった。
そんなに従業員の手が回らないのか?それとも、アグラをかいた商売に輪をかけて売上を上げたいのか?
とにかく、並盛と併せて「けんちん汁」を頼もうと思って勇んでやって来たのに、これでは企業の思う壺ではないか。
まぁ、いい。腹は減っているのだ。店に入ることにしよう。
食事時のピークが過ぎたのか、そこは野戦病院の看護婦のように黙々と手当てを続ける従業員と、看病の順番を待って
いるような客の様子に、少々おののいてしまった。
いや、例えが悪い。西部劇のガンマンが悪党軍団と撃ち合いをした後のうらぶれた昼間の酒場のような風景、
と言った方がピタリとくる。
さて、そのヤツレた店員の女の子に意を決して尋ねてみた。
「ホンマに並盛だけなん?」
「いえ、大盛も特盛もいいですよ・・・。」
テーブルに広がった割れたグラス、いや生姜入れの黒い立方体とお客のドンブリを片付けるのに
一生懸命なその子に間髪入れずに、
「じゃぁ、大盛とお味噌汁。」と、オーダーを頼む。
その後の応対は、流石に早かった。まるで用意していたように(他の客の注文か?)10秒も経たずに出てきた。
しかし、お味噌汁は伴っていない。ふた口ほどかぶりついてからそのことを言うと、「げっ?」というような
顔をして別の女の子がいぶかしげに持ってきた。
さて、価格破壊のお味は・・・。
回転が早過ぎたのか、十分にタマネギがダシに漬かっていない。オマケにお味噌汁がショッパイ。
まぁ、粉モノを機械で搾り出すのがココのお味噌汁だからショ~がないが、ダシが少ないのは解せない!
早く、ココの「けんちん定食・490円」が食べたい!
